オウンドメディアを活用することで、長期的に見込み顧客を獲得し、ブランド力を高めることができます。

しかし、その効果を正確に測定するためには、適切な手法とツールを理解して活用することが不可欠です。

本記事では、オウンドメディアの効果測定における主要なポイントと、具体的な測定方法について詳しく解説します。

オウンドメディアの効果測定で押さえたいポイント

KGIとKPIの設定

効果測定の第一歩は、KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)を設定することです。

長期目線ではKGIとして最終的な目標を、短期目標では、KPIとして中間指標を目的にし、達成に向けた具体的な行動に落とし込んでいきます。

これらを設定することで、目標達成に向けた進捗度を客観的に把握することができます。

長期・中期・短期のコンテンツフェーズによる効果測定の手法

オウンドメディアの運営には、立ち上げ期(短期)、成長期(中期)、成熟期(長期)といったフェーズがあります。それぞれのフェーズに適した測定指標を設定し、効果を測定します。例えば、立ち上げ期ではPV(ページビュー)の増加が重要であるのに対し、成熟期ではCV(コンバージョン)の向上が重視されます。

また立ち上げ直後は思ったようにページビューが伸びない場合もあります。そういった場合には、あえてPV数ではなく、公開する記事数に目標をおく方法なども考えられます。

フェーズごとで見る効果測定のポイント

オウンドメディアは、メディアの発展フェーズに合わせて、見るべき指標が変わってきます。フェーズごとにどのような指標をチェックしておけばよいでしょうか?

フェーズKGI(重要目標達成指標)KPI(重要業績評価指標)
初期– ウェブサイト訪問者数の増加
– 初回訪問者数の増加
– 訪問者数(月間・週間)
– ページビュー数(PV)
– 新規訪問者率
– 直帰率の改善
– メールマガジン登録者数
中期– リピーターの増加
– エンゲージメントの向上
– ブランド認知度の向上
– リピーター率
– 平均セッション時間
– ソーシャルシェア数、コメントやレビューの数
– メールマガジン開封率
– ブランド関連キーワードでの検索トラフィック
後期– コンバージョン率の向上
– 顧客のロイヤルティ向上
– 業界内でのブランドリーダーシップの確立
– コンバージョン率(購入、問い合わせ、資料請求など)
– 顧客満足度スコア(CSAT)
– ネットプロモータースコア(NPS)
– 長期的なリピーター数
– メディアでの露出数
– 業界内でのシェアやランキング

立ち上げ期・初期

立ち上げ期は、記事数を増やしサイトへの流入数に注目します。

似たような指標として、
PV数(ページビュー数)
UU数(ユニークユーザー数)
セッション数

などがあります。

昨今では、何回ページが見られたかがわかるPV数よりも、何人のユーザーが訪れたのかがわかるユーザー数が重視される傾向があるように思います。

さらにユニークユーザー数でも新規訪問とリピート訪問を測定するとより記事の効果を把握することができます。

とはいえ、立ち上げの最初期で記事も十分に揃っていない状況であれば、解析に労力を割くよりも、コンテンツを増やすことに力を使った方がよいでしょう。

成長期・中期

ある程度記事が充実してきたら、オウンドメディアで本来達成したかった指標を設定していくとともに、より質にこだわって成果につながりやすいコンテンツを発信していくことが重要になります。

具体的には
読了率
回遊率
滞在時間

などの指標になります。

GA4などのツールでも、ある程度読了率や滞在時間などは計測可能ですが、ヒートマップツールなども活用すると効果的です。

成熟期・長期

サイトの成長とともに、最終的にサイトのゴールとなるCVの獲得に繋げていきます。

CVでは、最終的な顧客からのお問い合わせのみならず、資料ダウンロードやメルマガ登録など、さまざまな中間CVなども考えられます。

オウンドメディアの最終的なゴールがオウンドメディアを経由した受注獲得の場合、CVは重要な指標になりますが、オウンドメディアがブランディングなどを目的にする場合には、新規のユニークユーザー数や、SNSのフォロワー数、投稿した記事の拡散数、ユーザーの認知度や満足度などが指標になってくるでしょう。

定期的な効果測定と改善施策

オウンドメディアの効果は一朝一夕で現れるものではありません。定期的に効果測定を行い、実績を確認しながらPDCAサイクルを回して改善を続けることが重要です。

特にリライト作業であったり、特にアクセスのよい記事を中心に派生する記事を作成して、よりユーザーの満足度を高めていくなどの対策を取ることができます。

オウンドメディアの効果測定方法

基本的な効果測定ツール

効果測定には、主に以下のツールを使用します。

Google Analytics

トラフィック分析やユーザー行動の追跡に不可欠です。平均セッション時間、ユーザーの流入経路などを確認できます。

Google Search Console

検索パフォーマンスの監視に役立ちます。主に検索クエリ、インプレッション数、クリック数を分析します。

Ahrefs

外部リンクの分析や競合調査に強みがあります。被リンク数やアンカーテキストの分析を行うことで、オウンドメディアの評価を測定します。

ヒートマップツール(Clarityなど)

ユーザーのクリックやスクロールの動きを視覚的に把握することができます。

具体的な効果測定指標

オウンドメディアの効果測定には、以下のような指標を活用します。

セッション

セッションとは、ユーザーがサイトに訪れてから離脱するまでの一連の行動を指します。GA4では、サイト上でのユーザーのセッション数を確認することで、訪問者の全体的な活動を把握できます。

アクティブユーザー

一定期間内にサイトを訪れたユーザー数を示します。GA4では、過去30日間、7日間、1日間のアクティブユーザー数を追跡でき、ユーザーの活動の傾向を把握することができます。

エンゲージメント時間

ユーザーがサイト上で積極的に関与した時間を示します。GA4のエンゲージメント時間は、ページ滞在時間やスクロール深度、イベント発生などを総合して測定します。

エンゲージメントセッション率

エンゲージメントセッション率は、サイト上で60秒以上滞在したか、2つ以上のページを訪問したセッションの割合を示します。

コンバージョン

GA4では、コンバージョンはユーザーが設定した目標を達成した割合です。これには問い合わせフォームの送信、資料請求、購入などがあります。これらの目標をトラッキングすることで、ビジネスの成功要因を評価できます。

効果測定結果をもとにした改善方法

コンテンツの見直しと改善

効果測定の結果を基に、低いパフォーマンスのコンテンツを見直し、改善を図ります。具体的には、タイトルやメタディスクリプションの最適化、視覚的な要素の強化、情報の追加や更新などが含まれます。

SEO対策の強化

検索エンジンからのトラフィックが少ない場合、SEO対策を強化します。キーワードの見直し、内部リンクの最適化、外部リンクの獲得などを通じて、検索エンジンでの順位向上を目指します。

SNSとの連携強化

オウンドメディアのコンテンツをSNSでシェアし、拡散させることでトラフィックを増やします。オウンドメディアを立ち上げると同時にSNSの展開をしていくことで相乗効果が期待できます。

SNSの運用は追加で労力がかかりますが、できるところから徐々に対策していくとよいでしょう。

まとめ

オウンドメディアの効果測定は、適切なKGI・KPIの設定、フェーズごとの測定方法の適用、定期的なチェックと改善を通じて行います。Google AnalyticsやSearch Console、Ahrefsなどのツールを活用し、ユーザーの行動やパフォーマンスを把握することで、オウンドメディアの成功に繋げていきましょう。

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