マーケティングにおいて、年齢別や性別でターゲットを分類する方法がいくつか存在しますので、その方法について紹介していきます。

F1、F2、F3、M1、M2、M3、C、T

「F」は女性(Female)、「M」は男性(Male)、「C」は子ども(Child)、そして「T」はティーンエイジャー(Teenager)を表しています。FとMはそれぞれ年代に合わせて1~3に分けられています。

マーケティングにおける年齢別のターゲット区分(F1層、M1層、C層、T層)

この分け方は、マーケティングや広告で使用され、特にテレビCMでのセグメンテーションにしようされてきました。

以前はF1、M1が消費意欲が高いという意味がありましたが、時代が変わり、2020年代以降は、若い世代でも所有欲や出世欲が以前に比べると低下しており、マーケティングの分け方として適切であるかどうかに注意が必要です。

注意点

この分け方が単純化されすぎている点が挙げられます。現代の消費者は多様化しており、年齢や性別だけでなく、ライフスタイルや価値観も重要な役割を果たしています。したがって、F1やM2などのカテゴリーだけでは、消費者の実際のニーズや傾向を完全に捉えることが難しい場合があります。

Z世代

Z世代は、大まかに1995年から2010年に生まれた人々を指します。この世代は、インターネットやデジタルテクノロジーが日常生活に深く根付いている時代に育ちました。彼らはデジタルネイティブとして知られており、スマートフォン、ソーシャルメディア、オンラインコミュニケーションツールの使用に非常に精通しています。

Z世代の消費行動は、個性と自己表現を重視する傾向があります。彼らはブランドの倫理的な価値や持続可能性を重要視し、自分の価値観に合った製品やサービスを選ぶことに注力しています。また、彼らはオンラインショッピングやデジタル決済に慣れ親しんでおり、オンライン上での口コミやレビューを重要視します。

α世代

α世代は、2010年以降に生まれた世代を指します。この世代は、スマートフォン、タブレット、その他のデジタルデバイスの普及がさらに進んだ時代に育っています。そのため、Z世代と同様にデジタルネイティブであるが、さらに先進的なテクノロジーに囲まれた環境で成長しています。

その他世代

世代生まれた年代
団塊世代約1947年 – 1949年
シラケ世代1965年 – 1970年
バブル世代1971年 – 1974年
アイスエイジ世代1970年代後半 – 1980年代初頭
ミレニアル世代(Y世代)約1981年 – 1994年
Z世代約1995年 – 2009年
α世代2010年以降

また、Z世代より前の時代をX世代、Y世代と分ける分け方もあります。

世代生まれた年代年齢(2024年時点)
X世代1965~1980年44~59歳
Y世代(ミレニアル世代)1981年~1995年29〜43歳
Z世代1990年代後半〜2010年14〜28歳
α世代2010年〜0〜13歳

この他には、若年層、子育て世代、アラサー、アラフォーといった様々な切り方もあります。

F1、M1という切り口は古い?

この分け方が古いかどうかについては、一概には言えませんが、現代のマーケティングではより複雑で洗練された消費者セグメンテーションが必要とされています。生活様式の多様化やデジタル技術の進展により、年齢や性別以外の要因を考慮したセグメンテーションが増えており、F1、F2、F3、M1、M2、M3、C、Tという単純な区分よりも、より詳細な消費者理解が求められています。このため、この伝統的な分け方は基本的な枠組みとして有用であるものの、現代のマーケティング戦略では補完的な手法として用いるべきであると考えられます。

Z世代という切り方は危険?

F1、M1といった切り方が今のマーケティングの切り方として古いという意見がありますが、Z世代という切り方は、1990年代後半〜2010年の約15年の年代を指しており、切り分ける年代の幅が比較的広いのではないかと思います。また、男性、女性でもセグメントされていません。

Z世代という呼び方は、第三者に説明する時にはシンプルな説明としてはわかりやすいですが、実際にマーケティングの運用段階で、ターゲット設定を行うには、ゾーンが広すぎるので、より緻密にターゲット(ペルソナ)を設定するべきでしょう。

また、Z世代という切り口は、生誕年での分け方ですので、年々対象の年齢が上がっていきますので、サービスや商品として設定する場合には、年齢が上がっても問題のない商品設定である必要があるのではないかと思います。

商品やサービスで独自に切り分ける

ターゲット層の切り分けはサービスや商品の特徴によってさまざまです。無理に既存の枠組みに嵌め込むのではなく、独自に年齢層を定義してく方法もあります。場合によっては、年齢での切り方が適切ではない場合もあるので、適切な切り方はなにかを事前に考えるように取り組むとよいでしょう。