今回はあらゆる年齢層に人気の高いスターバックスの人気の秘密を紐解いていきます。

ブランディングやマーケティイングの観点で参考になる点も多いと思いますので、取り入れられるところはぜひとも取り入れていきたいですね。

結論から言えば、スターバックスは、店舗空間、商品、接客、デジタル戦略などさまざまな観点において、他のカフェや喫茶店としっかりと差別化されていることがわかります。

ただ単純に美味しい(=品質がいい)だけではなく、さまざまな観点で差別化を行なっていることが、結果として強固なブランディングになっているといえるでしょう。

空間設計

まずは店舗の空間設計から見ていきます。

統一感のある店舗空間

スターバックス登場以前、コーヒーを飲むといえば、昔ながらの喫茶店やタバコの煙で年齢層高めの人がくつろぐような場所というイメージがありました。

従来の喫茶店がレトロな印象で、オーナーの個性がでたような日本的なイメージに対して、スターバックスは世界中で統一された店舗空間が設計されており、広々とした開放感のある空間がイメージされます。

またスターバックスは都会的な空間を演出しており、地方においても最先端の施設といった印象を持たせています。

作業しやすい場所

スターバックスは従来の喫茶店とことなり、仕事や勉強などの作業をしやすい環境を提供している点において、ほかの業態と比べて差別化されています。

従来の喫茶店であったり、ドトールコーヒーのようなコーヒーチェーンと比べても長く滞在しやすい空間が作られています。

実際に筆者の経験としても、スターバックスでの滞在時間が他の喫茶店やカフェと比べても、長時間滞在する傾向が高くなっています。

賑やかでも許される場所

従来の喫茶店は、静かにコーヒーを楽しんだり、どちらかというと静かであることが求められているように感じます。

一方で、スターバックスは比較的賑やかさが許されている空間が演出されています。もちろんスターバックスが賑やかでOKなどと言っているわけではありませんが、ゆとりのある店舗空間や、オープンスペースとすることで、しゃべりやすい空間が演出されています。

一人でも作業しやすい空間であると同時に、複数人のグループでコーヒーをくつろぎながらおしゃべりしても、気にならない空間が魅力になっています。

商品設計

続いて商品設計です。

高価格帯でプレミアム感を演出

スターバックスの価格にはコーヒー豆などの原材料のほか、従業員の教育や空間デザインに投資されています。顧客は単にコーヒーを飲むことに対してのみではなく、スターバックスという体験にお金を支払っているといえます。

高価格帯であるから顧客が来るというよりも、高くてもその体験に見合う価値があると顧客が判断されるように設計されているという表現の方が正しいかもしれません。

ここはマーケティングにおいても非常に重要なポイントが含まれています。

安ければ顧客が買うという発想よりは、顧客が商品の購入にどのような価値を感じているか、が重要な要素となってくるのです。

普段我々が商品のプロモーションやマーケティングを考える上でも、付加価値をどのように使っていくかという点では同じ見方ができるでしょう。

トレンドを取り入れた商品

スターバックスは季節ごとに新作メニューを投入しています。

季節性のある商品は特に若い女性を中心にターゲットしているように思います。

マクドナルドを日本に持ち込んだ藤田田は「ユダヤ商法に商品はふたつしかない。それは女と口である。」という言葉を残しています。つまり商売で成功するには、口に入れるもの、女性に受けるものを狙えという意味です。

トレンドを取り入れた商品は、ある意味ユダヤ商法を地で行っています。

実際に従来の喫茶店のターゲットが主に男性をイメージしているのに比べて、スターバックスは徹底的に女性に好まれるスマート感やオシャレ感を追求しているように見えます。

接客設計

顧客とのコミュニケーション

実際にスターバックスのスタッフの皆さんは、積極的にお客さんと会話をしている姿をよく見かけます。

これは何もマニュアルにそのように記載されているわけではありません。ただし、自発的に、そういう工夫を持って働くという企業文化が醸成されています。

顧客とスタッフとのコミュニケーションが生まれることで、スターバックスは他のコーヒーチェーンとは一線を画す魅力を持つことができているのです。

プロモーション戦略

テレビCMをしていない

スターバックスのプロモーション戦略の特徴の一つに、テレビCMを行わないことが挙げられます。

これは、スターバックスが顧客との直接的なコミュニケーションや体験を重視しているという見方もできます。

テレビCMを行わないことで、スターバックスはブランドの一貫性を保ちつつ、顧客との関係を深めることができているのではないでしょうか。

SNSを活用

スターバックスはSNSを活用して、顧客とのコミュニケーションを積極的に行っています。

インスタグラムやツイッターなどのプラットフォームを利用して、新商品やキャンペーン情報を発信することで、若い世代の顧客との接点を増やし、ブランドの認知度を高めています。

SNSを通じた情報発信は、スターバックスのファンを増やすだけでなく、顧客とのエンゲージメントを高める重要な手段となっています。

まとめ

スターバックスの成功は、空間設計、商品設計、接客設計、そしてプロモーション戦略の全てが巧みに組み合わされていることにあります。

これらの要素を自社のビジネスにも取り入れることで、より多くの顧客を惹きつけることができるでしょう。

参考

日本上陸25周年を機におさらい。スターバックスにまつわるABC(スターバックスジャパン)