広告以外の方法で、見込み顧客や既存顧客とのコンタクトを実現するために重要な、コンテンツマーケティング。自社のオウンドメディアの運営やメルマガの配信、SNSへの文章・動画の投稿などがコンテンツマーケティングに該当します。

広告らしさが薄れる分、幅広いユーザーにアプローチしやすくなるため、コンテンツマーケティングを実践する不動産会社は増加傾向にあります。この記事を読んでいる方の中にも、自社でもコンテンツマーケティングを実践しようと考えている方がいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、コンテンツマーケティングを実践するメリットや、集客のコツを詳しく解説します。最低限のコストで大勢の顧客を獲得できるようになるため、ぜひコンテンツマーケティングの参考にしてみてください。

不動産業界はコンテンツマーケティングを実践しやすい

コンテンツマーケティングでは、ブログ記事の作成やSNSの配信といったWebコンテンツの運用を通じて、見込み顧客や既存顧客との関係を構築していきます。ただ単に物件の情報や自社のキャンペーン情報を宣伝するのではなく、広告感を出さずに顧客を獲得するのが特徴です。

不動産業界の取り引きは一度に大きな金額が動くため、不動産購入希望者の多くはしっかりとリサーチを行います。物件情報・売買のノウハウ・市場の動向といった情報は多くの需要があり、コンテンツ作成のネタに困ることはありません。

また転勤・長期出張・進学などのため、不動産の購入や賃貸を希望する人は一定数存在するのも不動産業界の特色です。コンテンツのテーマにできる題材が豊富で、ほぼ常に一定の需要があることから、不動産業界はコンテンツマーケティングを実践しやすいと考えられます。

コンテンツマーケティングを実践するメリット6つ

コンテンツマーケティングを実践する際は、ターゲット層を明確にしたり、ユーザーが求める情報を分析したりと、さまざまな作業が必要です。

成果が目に見えるようになるまでには少し時間がかかりますが、成功すると問い合わせ数や成約率の大幅アップが期待できます。

ここでは、不動産会社がコンテンツマーケティングを実践するメリットを6つ紹介します。

会社の信頼度が高まる

コンテンツマーケティングを実践するメリットとして、会社の信頼度が高まることが挙げられます。不動産会社からユーザーに役立つ情報を配信することで、頼れる存在であるとプラスの印象を与えられるのです。情報の正確性も実現すると、さらなる信頼度の上昇が期待できます。

また、不動産会社のオウンドメディアやSNSを運用する際は、こまめに更新するのが一般的です。
継続的に有益な情報を発信することも、信頼度アップのポイント。コンテンツの数が増えるほど人の目に触れる機会も増加しやすくなるため、特定の物事に触れる回数が多いほど好感度が上昇する「ザイオンス効果(単純接触効果)」という心理効果も期待できます。

広告・宣伝のコストをカットできる

広告・宣伝のコストをカットできるのも、コンテンツマーケティングを実施するメリットのひとつです。
不動産会社の宣伝でよく使用する新聞紙・雑誌・ラジオ・交通広告は、自社の存在を一度に多くの人に知ってもらえますが、広告宣伝費がかかりやすいのが難点です。

一方、主にインターネット上で活動するコンテンツマーケティングは、新聞紙や雑誌などに広告を掲載するよりは低コストで実践できます。例えばSNSのアカウントの作成は無料ですし、簡単なホームページなら数十万円で制作することが可能です。

加えて情報を発信すればするほどコンテンツも充実してくるため、閲覧者は「便利なサイト」「いつ見ても面白い企画をやっている会社」といった好印象を抱くことも。広告・宣伝の開始直後から一定の成果を得るのは難しいですが、長期的な目線で見るとコンテンツマーケティングは広告宣伝費の節約に効果的な施策と言えます。

ユーザーが必要な情報を届けられる

ユーザーが必要な情報を届けられるのも、コンテンツマーケティングのメリットです。ユーザーが「知りたい」と思っている情報を発信することで、自社のことを知ってもらったり、契約のきっかけになったりします。

ユーザーが必要としている情報としては、物件を少しでも安く購入する方法、賃貸物件を借りる際の手続きの流れ、リフォームの成功事例などさまざまです。自社が展開している事業内容や取扱い物件に合わせて、柔軟に情報を発信するようにしましょう。

コンテンツマーケティングに成功すると、たくさんのユーザーが自社のコンテンツを閲覧したり、他の人に共有したりするようになります。するとGoogle検索では「良いコンテンツだ」と評価されて上位に表示されるようになり、さらに閲覧者数が増えるという好循環も実現することが可能です。

広告を嫌うユーザーにも効果的

コンテンツマーケティングを実践すると、広告を嫌うユーザーにも効果的にアプローチできます。
コンテンツマーケティングで使用するSNSやブログは、発信の仕方によっては広告らしさを薄めさせ、ユーザーが不快感を抱くのを避けられるのです。

ユーザーが広告を嫌う理由は、「調べ物をしているのに広告の表示によって邪魔されるから」「何度も会社のことを宣伝されるとしつこく感じる」などさまざま。場合によっては、自社に対してマイナスのイメージを抱かせてしまう可能性もあります。

その点コンテンツマーケティングなら、ユーザーの行動を制限することを避けられますし、サイトやアカウントのロゴなどでさりげなく自社をアピールできます。広告に対する苦手意識を持っているユーザーも見込み顧客にするなら、コンテンツマーケティングは欠かせないと言えるでしょう。

ロイヤリティ(顧客・ファン)を育成できる

コンテンツマーケティングを実践することで、顧客やファンを育成することも可能です。コンテンツマーケティングは、調べ物をしたり面白いコンテンツを探したりしているインターネットユーザーを主なターゲットとしたマーケティング手法です。

インターネットユーザーにとって役立つ情報や、興味を引かれるコンテンツを配信し続けることで、何回も自社コンテンツを見にくる人を増やせます。そして自社のファンになった人が、いざ不動産を購入したり借りたりするタイミングになって、「いつも見ているあの不動産会社に相談してみよう」と顧客になってくれるのです。

コンテンツマーケティングを実践している会社を見てみると、自社の事業と関連付けた情報を発信しているところから、自社の事業とは関係なくてもとにかく面白い動画を配信しているところまであります。コンテンツマーケティングならではの、自由度の高さを活かして、自分の会社にぴったりの宣伝法を探してみましょう。

事業エリアを広げられる

事業エリアを広げられるのも、コンテンツマーケティングを行うメリットです。コンテンツマーケティングでよく使用するSNS・ブログ・メルマガ・ホームページなどは、ほとんどがインターネット上で閲覧されるものです。

雑誌の広告やチラシの配布などではアプローチできる範囲が限定されますが、インターネットを使うと、転勤や進学などで物件を探している日本各地の人々を見込み顧客にできます。世帯数が減少傾向にある昨今の情勢を鑑みると、広いエリアに宣伝できるコンテンツマーケティングは、将来的には不動産会社の生き残りにも関わってくるかもしれません。

海外の人をターゲットにする場合も、コンテンツマーケティングなら日本国内からインターネットを介して情報を発信できます。活動範囲を従来の何倍にも広げ、より多くのユーザーに自社のことを知ってもらえるのがコンテンツマーケティングの強みです。

不動産会社のコンテンツマーケティングで集客をするポイント

不動産会社でコンテンツマーケティングを行う際は、ただ単に自社コンテンツの数を増やせば良いわけではありません。なんとなくで行動していると、想像以上にコストがかかったり思ったような成果が得られなかったりする可能性があります。

効果を実感するには、どのような顧客に来てほしいのかを明確にしたり、他社との差別化を図ったりすることが大切です。不動産会社のコンテンツマーケティングで集客するポイントを抑え、効率的に契約数を増やしていきましょう。

ターゲット・ペルソナを明確にする

不動産会社が効果的なコンテンツマーケティングを実践するためには、ターゲットやペルソナを明確にすることが大切です。ペルソナとは、サービスを提供する具体的な人物像のこと。自社のコンテンツを見る人の年齢・職業・収入・関心があること・性格・家族構成など、ありとあらゆる属性を仮定します。

20代一人暮らしの会社員にファミリー向けの広い物件の情報を配信したり、不動産を売却したい人に地域の情報を発信したりしていては、いつまで経っても成果があがることはないでしょう。自社が提供しているコンテンツと、閲覧している人のニーズが合致してこそ、コンテンツマーケティングの成果が生み出されます。

ユーザーが求める情報を掲載する

自社が運営するコンテンツには、ユーザーが求める情報を優先的に掲載することを心掛けましょう。ユーザーからすると、自分が知りたい情報が載っていないコンテンツにはあまり有益性を感じられません。有益でないと判断したらすぐにそのコンテンツから離れるため、コンテンツの閲覧数や成約率が伸び悩みやすくなります。

ユーザーが求める情報を掲載するには、既に知名度がある競合他社のコンテンツを分析するSNS・質問サイトなどでユーザーが知りたがっている情報を見つけるアンケートを実施するといった方法が効果的です。

コンテンツマーケティングを実施する際は、自社が発信したい情報とユーザーが知りたがっている情報は必ずしも一致しないことを頭の隅に常に入れておきましょう。自社の情報を差し込みたい場合は、一案として記事の最後に短めの訴求文を入れたり、動画コンテンツを制作する際に自社の取扱い物件を使ったりしてみることなどが挙げられます。

ゴールを明らかにして導線をサイトに設置する

コンテンツマーケティングの最終目標は、資料をダウンロードしてもらったり、自社が主催する見学会やセミナーに参加したりしてもらうことです。ゴールを明らかにして、導線をサイトに設置することも忘れないようにしましょう。

ただ単に役立つ・面白いコンテンツを配信するだけだと、ユーザーはそれだけで満足してしまい、コンテンツを配信している会社の方まで意識が向かないことがあります。ウェブメディアの下部に問い合わせフォームへのリンクボタンを設置するなどして、成果を上げるための導線も設けてみてください。

他社のコンテンツとの差別化を図る

国土交通省が発表した情報によると、2023年3月末時点で、宅地建物取引業者は12万9,604業者もあるそうです。なかには既にコンテンツマーケティングに取り組んでいる業者もたくさんあるため、他社のコンテンツとの差別化は欠かせません。

まずは競合他社のコンテンツをいろいろ調べ、コンテンツの内容やターゲット層、閲覧者の反応などを分析してみましょう。自社に「ファミリー向け物件を多く扱っている」「○○市が主な活動範囲である」といった特徴があるときは、その特徴も差別化の材料になります。

専門家監修の記事を配信する、自社の取扱い物件をコンテンツに登場させるなどするのも、差別化に効果的です。他社と類似するコンテンツばかり配信し、大量の情報のなかに埋もれてしまわないようにしましょう。

画像など物件情報を豊富にする

自社が取り扱っている物件を紹介するコンテンツを制作する際は、画像などをたくさん使用して物件情報を充実させると良いでしょう。もちろん文字だけでも物件の魅力をある程度伝えられますが、画像も用意した方が実際の物件の様子をイメージしやすくなります。

部屋の様子だけでなく、キッチン・お風呂・トイレ・洗濯機置き場・ベランダ・クローゼット内などさまざまな画像を用意するのがおすすめです。画像に加え、間取りや設備などについても表で簡潔にまとめておくと良いでしょう。360°ビューを取り入れて、ちょっとした内覧会ができるようにしておく方法もあります。

物件情報が充実しているサイトとしては、SUUMOやLIFULL HOME’Sといった物件情報サイトが挙げられます。利用者数が多いサイトを参考に、物件情報を豊富にしてみてください。

エリアの周辺情報のコンテンツを用意する

物件の購入を検討している人や、賃貸物件を借りようとしている人のなかには、その物件が建っているエリアのことをよく知らない人も大勢います。そんな方に向けて、エリアの周辺情報のコンテンツを用意するのも、コンテンツマーケティングには効果的です。

多くのユーザーは、物件からスーパーやコンビニまでの距離の近さ、治安の良さ、公共施設の利用のしやすさなどを物件選びの参考にしています。自社の店舗があるエリアやその周辺の物件を主に取り扱っているなら、実際にスタッフが街を歩いてコンテンツを作成するのも良いでしょう。

ただし紹介する範囲が広いほどコストもかかりやすくなるため、コンテンツ制作に充てられる時間や予算に応じて紹介するエリアを絞り込むことも検討してみてください。

お客様の成功事例を掲載する

お客様の成功事例を掲載するのも、不動産会社のコンテンツマーケティングに有効な方法です。成功事例を見たユーザーは具体的にどのような工事や取引をするのか想像しやすくなり、親近感が湧いてそのコンテンツにより興味を持ちやすくなります。

特に不動産の売買・リフォーム・新築などに関する会社は、実際に自社を利用した人の体験談を載せておくと良いかもしれません。例えば不動産の売買なら、不動産の概要・売却額・取引完了までにかかった期間などを載せてみましょう

リフォームや新築については、物件の大きさや間取り、顧客が工事をするに至った理由などを掲載するのもおすすめです。物件の画像も用意しておくと、ユーザーは成功事例をより具体的にイメージしやすくなります。

スマートフォンで見やすいよう最適化をする

近年はスマートフォンが広く普及しており、それに伴い不動産会社が運営しているコンテンツをスマートフォンから閲覧する人も増加しています。パソコンとスマートフォンは画面の大きさが異なるため、スマートフォンからでも見やすいよう最適化をすることも忘れないようにしましょう。

スマートフォンで見やすいよう最適化する方法は、大きく2つあります。1つ目は、スマートフォン専用サイトを開設することです。もう1つは、ユーザーが使用している端末に合わせてパソコンとスマートフォン両方のレイアウトに自動で切り替わる「レスポンシブWebデザイン」のコンテンツを制作する方法です。

Googleは、モバイル端末に対応しているコンテンツを高く評価する方針を取っています。自社コンテンツをスマートフォンにも対応できるようにしておくと、Googleからは「良いコンテンツだ」と評価され、Google検索でも上位に表示されやすくなるでしょう。自社の知名度アップにも繋がるので、スマートフォンからでもコンテンツを閲覧しやすいようにしてみてください。

自社の負担が大きい場合は外注を活用する

ウェブメディアの開設の仕方が分からない、コンテンツ制作に充てる時間がないなど、自社の負担が大きい場合は外注を活用することも検討してみましょう。コンテンツ制作と運営に割く時間を大幅に削減できるほか、より高品質なコンテンツを配信しやすくなります。外注できる作業内容はコンテンツ制作だけでなく、運営や成果の分析などさまざまです。

外注する方法は、制作会社に依頼するパターンと、フリーランスに業務委託するパターンの大きく2種類あります。制作会社に依頼するとコストがかかりやすいですが、アフターフォローやサービスが充実しているところが多い傾向にあります。

フリーランスは制作会社ほどの充実したサービスを受けるのが難しいですが、コストがかかりにくく、作業開始から納品までが素早いのが特色です。うまく外注を活用して、中長期的に安定してコンテンツを運営できるようにしましょう。

効果測定と改善を積み重ねる

コンテンツマーケティングは、コンテンツを増やし、運営するだけで成果が出るものではありません。定期的に効果を測定し、改善を積み重ねることで徐々に効果が現れるようになります。

効果測定ではコンテンツ1つ1つに対するユーザーの反応を調べ、自社への問い合わせの数やイベントの参加者数の変化などを調べます。SNSや動画のようにユーザーのコメントが投稿される場合は、コメントを参照してみるのも良いでしょう。

自社のブログの閲覧数が少ない場合は、Google検索で上位に表示されている記事を調査し、必要に応じて加筆修正をしていきます。コンテンツの内容や反響、成果などをこまめに確認し、コンテンツに反映していくことでコンテンツマーケティングの真価が発揮されるようになります。

不動産会社がコンテンツマーケティングで扱う領域

不動産業界に限らず、近年はいろんな業界の企業がコンテンツマーケティングに力を入れています。食品会社なら栄養や料理について、アパレル企業なら季節ごとの服装やメイクなど、それぞれの業界の特色に合わせて工夫を凝らしているようです。

それでは、不動産会社がコンテンツマーケティングで発信できる情報にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、不動産会社がコンテンツマーケティングで扱う領域のなかから主なものをピックアップして紹介します。

物件紹介のコンテンツ

不動産会社がコンテンツマーケティングで扱う領域としてまず挙げられるのが、物件紹介のコンテンツです。自社が取り扱っている物件を詳細に発信できるため、特に不動産の売買や賃貸に携わっている会社が用意しやすいコンテンツと言えます。物件紹介のコンテンツを作成する際は、次のような情報を掲載してみましょう。

  • 所在地
  • 最寄り駅
  • 周辺状況
  • 部屋の設備
  • 画像
  • 360°ビュー
  • 間取り図
  • 専有面積
  • 家賃・価格
  • 初期費用・諸費用

物件紹介のコンテンツを制作する際は可能な限り具体的で分かりやすい情報を提供し、ユーザーに現地を訪れたような体験をしてもらうことを心掛けてみてください。SNSを使ったコンテンツマーケティングを行う際は、数十秒〜1分程度の動画を撮影し、ちょっとしたオンライン見学会ができるようにするのもおすすめです。

生活・暮らしのコンテンツ

生活・暮らしに関するコンテンツを発信するのも、不動産会社におけるコンテンツマーケティングに有効な手段です。成約やセミナーへの参加といった直接的な成果には繋がりにくいですが、役立つ情報を発信し続けることでユーザーに自社の存在を知ってもらえます。将来的には顧客になってくれそうな潜在層にアプローチできるため、長期的な目線でマーケティングをすることが可能です。

生活・暮らしのコンテンツで発信できる情報は、多岐に渡ります。主なものを、一例として以下にまとめてみました。

  • 引っ越しの準備で必要なこと
  • 荷物の梱包の仕方
  • キッチンの掃除方法
  • 戸建てと賃貸のどちらが良いか
  • 親の介護に役立つ情報
  • インテリアについて

賃貸物件を多く扱っている不動産会社なら引っ越しのお役立ち情報、三世帯住宅を扱っているなら親の介護に関する情報などのように、自社の取扱い物件と関連付けたコンテンツを制作すると、成果に繋がりやすくなるでしょう。ターゲット層のライフスタイルや興味と合致したコンテンツを制作することが大切です。

街や地域のコンテンツ

自社が取り扱っている物件がある街や地域の情報を発信するのも、不動産会社におすすめのコンテンツマーケティングの方法です。街や地域のコンテンツを制作することで、その地域に住もうとしているユーザーとの接点ができます。

特に遠方に住んでいるユーザーだと、実際に現地まで足を運ぶのは難しいものです。正確な情報を詳しく発信することで、自社への相談も増えることが期待できます。街や地域のコンテンツで発信する情報の一例は、以下の通りです。

  • 学校
  • 買い物ができる場所
  • 公園
  • レジャー施設
  • カフェ
  • 観光名所
  • 治安
  • 病院

また、街や地域のコンテンツは地元住民へのアプローチになることも。地元住民のなかには、通勤の関係で一定のエリア内で引っ越す人や、出産のため同じ地域内でより広い物件を探している人もいます。慣れ親しんだ地域の情報をたくさん発信していることに親近感を覚え、相談する際の心理的なハードルを下げられるでしょう。

売買方法のコンテンツ

不動産の売買の仲介や、不動産の買取を行っている会社は、売買方法を説明するコンテンツを運営するのもおすすめです。不動産の売買は長い人生においてそう何度も経験することではありませんし、一度に大きな金額が動くものですから、不安を抱えている人は大勢います。自社コンテンツでユーザーの不安を解消することで、適切な対応をしてくれる会社だと印象付けられるでしょう。

売買方法のコンテンツ例は次の通りです。

  • 不動産の売買の全体的な流れ
  • 売買に必要な費用
  • 契約書類の書き方
  • 内覧の準備の仕方
  • 売却前・購入前にやっておくこと
  • トラブル発生時の対処法

不動産の売買には、「専任媒介契約」や「契約不適合責任」など専門的な用語がたくさん登場します。普段不動産業界に関わっていない人にとっては聞き馴染みのない言葉もあるので、できるかぎり平易な言い回しを用いたり、注釈を入れたりすることを心掛けると良いでしょう。

子育てのコンテンツ

子どもを元気に育てるため、日頃から子育て情報を調べている保護者は大勢います。ファミリー向けの物件を取り扱っている不動産会社は、子育てのコンテンツを制作するのもおすすめです。子育てに役立つ情報を配信することで、子どもがいる家庭への理解が深い会社である印象を与えられ、問い合わせや成約にも繋がりやすくなるでしょう。

子育てのコンテンツを配信する際のテーマの一例を、以下にまとめてみました。

  • 子育て世帯が内覧会でチェックすること
  • 子育てしやすい物件の情報
  • 幼稚園・保育所・学校について
  • 子育て世帯におすすめの外出先
  • 子育て世帯が引っ越しを成功させるコツ
  • 子育て相談ができる場所
  • 自治体の子育て支援に関する情報
  • 子育てに関する助成金・補助金

子育てに関する情報は日々アップデートされているので、新しい情報を掲載することが大切です。コンテンツの内容に応じて、保育士や小児科医といった専門家にコンテンツを監修してもらうことも検討してみてください。

ペットのコンテンツ

戸建て住宅やペット可の賃貸物件を扱っている不動産会社は、ペットに関するコンテンツを制作するのも良いでしょう。ペットを飼っている・今後飼いたいと思っているユーザーに、自社の存在をアピールできます。すぐには成果に繋がらなくても、長期的な目線で見ると、将来的な顧客の育成にも効果的です。ペットに理解のある不動産会社であるイメージがあれば、顧客としてもいざというときに相談しやすくなるでしょう。

ペットに関するコンテンツのテーマとしては、以下のようなものが考えられます。

  • ペットにとって快適な住環境とは
  • ペットに嬉しい設備・グッズ
  • ペットを賃貸物件で飼うときに気を付けること
  • 引っ越したときに現れやすいペットの変化
  • ペットがいる暮らしの体験談
  • ペット関連のトラブルが発生したときの対処法
  • 帰省・旅行時にペットを預けるペットホテルについて
  • 物件があるエリアでおすすめのお散歩コース
  • 物件があるエリアのペットカフェ・ドッグラン
  • 物件があるエリアの動物病院・ペットサロン

特定のエリア内の物件を取り扱っている場合は、ペットと関連付けた地域情報を発信するのもおすすめです。ペットの体調のような専門的な知識が必要なコンテンツを制作する際は、獣医師などに監修してもらいましょう。

コンテンツマーケティングを行う方法

コンテンツマーケティングは、主にインターネット上で行うマーケティング手法です。Webメディアの運営だけでなく、動画の投稿やメルマガの配信など、施策を挙げればきりがありません。ここでは、不動産会社のコンテンツマーケティングでよく使われる方法を3つ紹介します。

自社のホームページ・ブログ

コンテンツマーケティングの方法としてまず考えられるのが、自社のホームページやブログを新しく作ったり、リニューアルしたりすることです。特にホームページは会社の玄関口とも言える重要なコンテンツなので、レイアウトが古い・情報が足りない等の不備があれば、新しくするようにしましょう。

ブログは、ホームページに載せきれない詳細な情報や、ユーザーの役に立つノウハウを発信する便利なプラットフォームです。良質なコンテンツを定期的に更新することで次第に閲覧者が増え、繰り返し見に来てくれる人も出てきます。すぐに成果まで繋がらなくても、自社の知名度向上や印象アップができるため、将来的な顧客の育成にも効果的です。

SNS

近年はSNSのユーザーが増加しており、InstagramやX(旧Twitter)はコンテンツマーケティングにおいて欠かせない存在になっています。ブログやメルマガと比べると不動産会社とユーザーの距離感が近く、コメントへの返信や質問への回答など、より直接的なやり取りができます。拡散力にも優れており、会社の認知度を向上させることも可能です。

SNSを使用してコンテンツマーケティングを実践する際は、画像や動画といった視覚に訴えかけるものを充実させるのがコツです。ユーザーは膨大な数の投稿のなかから自分好みのものを探しているため、視覚的に魅力を感じさせる投稿をした方が反響を得やすい傾向にあります。

メルマガ・LINE

メルマガの配信やLINEの運営は、一度自社に興味を持ったユーザーとの関係性を構築するのに効果的な方法です。メルマガは読む人の特性や地域などに応じて配信内容を変えられるため、ユーザーのニーズに合った情報を届けられます。ユーザーの興味と関連したコンテンツを届けられるので、開封率やクリック率の向上に効果が期待できます。

LINEでは公式からのお知らせやお役立ち情報の配信だけでなく、ユーザーとのリアルタイムでのやり取りにも対応できます。不特定多数の人の目に触れないぶん踏み込んだ内容の質問にも対応しやすいですし、1人1人の要望に応じておすすめの物件を紹介することも可能です。

不動産会社のコンテンツマーケティングの成功事例

ここまで不動産会社がコンテンツマーケティングを実践するメリットや、集客するポイントなどを紹介してきました。それでは実際に、コンテンツマーケティングに成功した例を確認してみましょう。実際の成功事例を見ると、自社がコンテンツマーケティングを実践するイメージがより具体的になります。

ひつじ不動産はシェアハウスに特化

ひつじ不動産は、シェアハウスに特化したコンテンツを専門的に配信しているウェブメディアです。「オシャレオモシロフドウサンメディア」をテーマに、シェアハウス探しやシェアハウスでの生活のノウハウなど、さまざまなコンテンツを掲載しています。

ひつじ不動産に掲載する物件はすべてスタッフが訪問&撮影し、客観的かつ信頼性の高い情報を提供しているのがこだわりです。実際にシェアハウスに入居している人にもインタビューを実施し、リアルな生活の様子を垣間見れるのも魅力。専門誌のような充実した内容で、シェアハウスが気になっている方の興味を引き付けているコンテンツです。

ひかリノベはリノベーションの情報が充実

ひかリノベは、リノベーションに関する情報が充実しているWebサイトです。さまざまなリノベーションの実例を掲載しており、ユーザーが自分事と捉えてのめり込めるコンテンツがたくさんあります。間取りのビフォーアフターやリノベーション後の画像、工事内容などが具体的であるため、ユーザーは自分がリノベーションをしたときの様子を想像しながら読み進めることが可能です。

また、資料請求・ショールーム・イベントへの案内や、リノベーション物件の紹介も同サイト内で行っているのが特色。実例を見てユーザーが興味を示したら、すぐに自社へ問い合わせられる環境を整えています。

日本ハウスホールディングスは住まいのコラムを発信

木造住宅や分譲マンションの施工・設計・販売などを手掛ける日本ハウスホールディングスは、自社の公式サイト内にコラムコーナーを設けています。コラムコーナーでは、「建替えとリフォームのどちらがお得か」「住宅の断熱性能について」「注文住宅を購入する際のポイント」など、ユーザーが気になる情報を定期的に発信しています

各コラムには画像や箇条書きを適宜使用しており、ユーザーにとって読みやすい構成になっているのがポイントです。必要に応じて資料請求と展示場への来場予約ができるバナーを設置しており、サイト内の導線もしっかりしています。

フリーダムな暮らしは注文住宅の顧客がターゲット

フリーダムな暮らしは、建築設計事務所フリーダムアーキテクツが運営しているウェブメディアです。注文住宅の購入を検討している人をターゲットに、ノウハウや間取りの例などを紹介しています。注文住宅の顧客を取りこぼさないよう、施工面積ごとに間取りの例を用意するなど幅広いニーズに応えられるようにしています。

また、土地探しの情報やリノベーションのノウハウといった注文住宅に付随するコンテンツも用意しているのが注目ポイント。各コンテンツには資料の取り寄せを促すバナーも設置し、成果までの導線も設けています。

ペットアドパークはペットと暮らせる物件を探せる

ペットアドパークは、ペットと暮らせる物件の情報をまとめた物件情報サイトです。自治体ごとに物件の情報を絞り込める仕様になっており、物件の設備・詳細情報・取扱い不動産会社・画像などを分かりやすく掲載しています。各物件の詳細ページにはメールでの問い合わせができるバナーが設置してあるため、ユーザーは物件に興味を持ったらすぐに次の行動に進むことが可能です。

ほかにも犬と一緒に利用できる宿泊施設、犬の食事のレシピ、ペットと暮らすときのアドバイスなど、ペットがいる人に役立つ情報も掲載しています。ペットに関する幅広い情報を取り扱い、他のコンテンツにユーザーが流れないよう対策できているサイトです。

不動産会社はコンテンツマーケティングに取り組みやすい!まずはコンテンツを1つ運営してみよう

物件紹介・地域情報・売買のノウハウなど、不動産会社がコンテンツマーケティングで発信できる情報はたくさんあります。営業範囲を広げやすく、会社の信頼度の向上にも効果的なコンテンツマーケティングは、不動産会社と好相性であると言えるでしょう。

コンテンツの数を増やし、品質を良くするには、それなりの時間が必要です。コンテンツマーケティングの成果が目に見えるようになるまでは、一定の時間を要すると考えられます。

思い立ったが吉日。コンテンツマーケティングに興味を持ったら、まずはSNSやウェブメディアを1つ運営することから始めてみてはいかがでしょうか。