WEBメディアでGoogleから評価を受ける指標として、被リンクはGoogleが誕生した当初から最も重要視されている指標の一つです。

「質のいい記事を作れば、自然と被リンクが集まる」という考え方は基本ですが、実際には被リンクは待っているだけでは、なかなか増えません。

すでに企業や商品に一定の認知があれば、被リンクは獲得できる可能性はありますが、始めたばかりのメディアやブランド認知力が低いサイトであれば、自然と被リンクを獲得するのは難しいでしょう。

そこで、今回の記事では被リンクを効果的に集める方法を紹介していきます。

被リンク獲得の基本

高品質の記事を制作する

被リンク獲得の基本として高品質な記事の作成にはこだわりましょう。量よりもまずは質です。

被リンク獲得の目的はSEO対策です。そしてSEO対策で根本となる考え方が高品質な記事を作成することです。

被リンクが受けやすい内容のコンテンツを作る

被リンクを受けるためには、すでにコンテンツが充実した競合の多いキーワードで戦うのは避けるべきでしょう。

例えば「サーバー 選び方」といったキーワードで被リンクを受けられるような記事を作ったとしても、同じ様な記事は多数存在していますので、被リンクをあえて受ける理由はなくなります。

また、「PayPay 作り方」のような公式サイトが強力なキーワードは、戦うのが難しいので、避ける方がよいでしょう。

さらに具体的に被リンクを受けやすいコンテンツは後述します。

被リンクをもらう直接的なきっかけを作る

被リンクを直接お願いして入れてもらうという方法です。実際にリンク設置までが大変ですが、本気で被リンクを集めるときには、地道ですが確実な方法です。

商品やサービスを紹介する

他社のサービスや商品を紹介する代わりに、その紹介記事へのリンクを貼ってもらうように依頼する方法があります。「◯◯メディアで紹介されました!」といったような形で紹介先のホームページにリンクを貼ってもらうようにお願いしてみましょう。この場合は、作成前にリンクを貼ってもらえるか、確認するとよいでしょう。

紹介先が全く関係性がないと難しい場合もあるでしょう。少しでも関係性があると、アプローチするのが楽になります。

取材、インタビューを行う

取材やインタビューも直接リンクをもらうきっかけになります。「インタビューとして紹介されました!」という形で、紹介してもらうとよいでしょう。

こちらは弊社が運営するクレジットカードメディア「オトクレ<大人のクレジットカード>」で実際にインタビューを行い被リンクを獲得した例になります。被リンクを得ることだけを目的にしたインタビューではありませんが、1次情報として発信できて、かつ被リンクも得られる1石2鳥の施策といえます。

外部メディアで記事の監修を行う

もし社内に発信力がある人物がいたら、外部メディアで記事の監修を行う方法もあります。

昨今ではGoogleの権威性を高める目的で、メディア運営者が外部の専門家に記事を監修してもらうこともあります。その際にプロフィールに被リンクを獲得したいURLを掲載するようにしてもらうのが効果的です。

被リンクを受けやすい発信をする

被リンクを受けやすい高品質な記事を作るというのが、SEO対策では王道です。漠然と高品質と言われても、何を持って高品質とするか判断が難しいですし、そもそも高品質な記事を作ったからといって、被リンクを獲得できるとは限りません。

「高品質な記事を作れば被リンクを獲得できる!」と、がむしゃらに記事を作成するのではなく、戦略的に被リンク獲得に向けた記事を作っていくべきでしょう。

1次情報にこだわる

発信するコンテンツは、できるだけ1次情報にこだわるということが大事です。1次情報とは、情報の発信元であるということ。例えば、製品を販売している会社であれば、その製品の発売情報などは1次情報です。

1次情報であれば、そのコンテンツ以外は参照することがないので、必然的に被リンクが受けやすくなります。

ただし、メディア運営者の中には1次情報になるような製品やサービスは持っていないという方もいると思います。そういう方は、通常であれば、二次情報になりそうな発信でも、自身の体験談を中心とした記事を作れば、それは1次情報というように考えられるかもしれません。

体験談自体は、あなたしか持っていない1次情報となり得るのです。ブロガーなどが商品レビューの体験談を書く理由はこういう部分にも当てはまります。

ニッチなコンテンツを配信する

配信しているコンテンツがニッチで、他を調べても出てこないような内容であれば、1次情報であるかに関わらず、被リンクを受ける可能性は高まります。

ニッチさを追求するには、いくつか考え方があります。まずはそもそもメディアのテーマをニッチなジャンルに絞るということ。作成するコンテンツがニッチになっていけば、自ずとキーワードで上位にあがる機会も増えてきます。

ニッチなコンテンツで上手に被リンクを獲得している例として、製造業向けの技術情報メディアを運営している弊社のお客様がいらっしゃいます。このお客様のメディアでは、専門性の高い技術情報を継続的に発信されており、インターネット上であまり出てこないような専門性の高い用語を解説することで、多数の被リンク獲得に成功していらっしゃいます。

コンテンツ単位でニッチなものを出すという方法も一つですが、メディア自体がニッチを攻めやすいジャンルを選択するというのも有効な考え方です。

グラフ・表・インフォグラフィックを作成

情報やデータを図を用いながら、視覚的にわかりやすくまとめたもののことをインフォグラフィックと呼びます。

他の人が整理するのが大変な情報を整理することで、被リンク獲得としての価値が生まれます。

また、カオスマップなどは、被リンクを受けやすいインフォグラフィックとも言えそうです。

作成するのは大変ですが、大変で他の人ができないからこそ、まとめることで被リンクが受けやすい形にできそうです。

雛形やテンプレートを作成する

雛形やテンプレートも、作成する手間やノウハウを簡単に入手できる手助けとなるため、被リンクの効果は期待できます。

ただ、これらは被リンクを貼って紹介したいというよりも、閲覧した人が自分で使う方が多いので、実際に閲覧された数に対する被リンクの獲得率は小さい可能性はあります。

雛形・テンプレートには具体的には以下のようなものがあります。

・デザインテンプレート
・契約書の雛形
・WEB制作会社のヒアリングシート

特にリリース性の高いテンプレートなどは、このあと紹介するプレスリリースなども合わせるとさらに拡散の効果が期待できます。

アンケートや調査を実施する

業界に関するアンケートや調査結果は、1次情報となりますので、被リンクを得られる可能性は高まります。

アンケート調査は、自社で実施する方法や、クラウドソーシングを使う方法や、アンケート会社などに依頼する方法もあります。それぞれにメリット・デメリットがあります。

自社で実施:コストは抑えられるが、回答収集に労力がかかる
クラウドソーシング:1問5円〜100円で収集、回答者の属性がサービス利用者に限定される
アンケート会社に依頼:10万円〜100万円、実現性は高いが費用が高い。

無料ツールを公開する

無料ツールは、便利であれば、「こういうツールあるよ」という形で紹介されやすいので、被リンクの効果が期待しやすいでしょう。

ただ被リンクを獲得するには、本当に使えるツールである必要があるのと、他の人でも簡単に作られるようなものだと、すぐに役に立たなくなるので、独自性や話題性は必要になります。

まとめられやすい情報を発信する

尖ったサービスを作る

企業であれば、競合があまり出していないニッチなサービスを出してみるのも一つの方法です。実はこの方法で弊社では一つリンクを獲得しています。

こちらは他社のWEB制作の見積もりを第三者目線で妥当性を評価するというサービスなのですが、業界でもあまりやっているところが少ないニッチなサービスです。

こちらは「WEB幹事」と呼ばれる、WEB制作会社を比較する会社で取り上げられました。

画像参照:https://web-kanji.com/posts/homepage-second-opinion

このように、自社の商品やサービスがニッチであれば、紹介される可能性が高まると考えてよいでしょう。

仕事やユーザーを募集する

自社でユーザー登録フォームを設けて、ユーザーにメリットがあるようなものを提供している場合に、被リンクを得られるケースがあります。

例えば、弊社では自社サービスの一環として、マネー系ライターを募集しています。

https://nobol.jp/writer.html

こちらはマネー系ジャンルに特化したライター募集なのですが、ライターを支援する目的のメディアなどで、事例として紹介されることがあります。

おそらく一般的な職種だと取り上げられることはないかもしれませんが、常に募集しているユーザー登録型のサービスだと、被リンクを獲得しやすいのではないかと推測されます。

被リンクを受けやすいサービス設計にする

被リンクを獲得したいWEBサイト自体が被リンクを獲得しやすいサービス設計になっているという考え方があります。

サービスを利用、またはビジネスが拡大することが、自然と被リンク獲得に繋がりやすいビジネス設計にするというものです。

メディアでSEOを考えるのであれば、どうやったらそのメディアは被リンクを受けやすい設計にできるか。ビジネスレベルで事前に想定しておくことが、SEO対策の勝ち筋です。

事例

engage 無料で求人ページを作成

たとえば、engageという求人サービスでは、企業が無料で求人ページを作成できるサービスを提供しています。企業が求人ページを作成し、そこにリンクを貼ることで、自然と被リンクが獲得しやすいサービス設計になっています。

YAMAP アプリが自治体と連携

また、被リンク効果としては、国や自治体などのリンクは効果が高いと言われていますが、自治体と提携しやすいサービスもまた、被リンクを獲得しやすくなります。

登山地図アプリのYAMAPでは、遭難情報を自治体と連携しており、その際に自治体側からYAMAP側へリンクが貼られています。このビジネスにおいては、もはや被リンク獲得という目的はほとんど意識されていないでしょうが、サービスが自然と被リンクを生む好例ともいえそうです。

各種メディアから自分でリンクを貼る

他社のサービスの中には、ユーザー自身がプロフィールや投稿を作成するサービスが多くあります。それらのサービスに自社の情報を掲載することで、被リンクを獲得する方法があります。

SNSでコンテンツを発信する

SNSではコンテンツや商品・サービスの認知を拡大させる上で、基本的には押さえておきたいポイントです。SNSでのリンク設置の狙いは認知の拡大です。より多くの方の目に触れることで、より被リンクを間接的に獲得できるきっかけになります。

注意

SNSでは、リンクを貼っても、直接的にSEO効果は基本的に期待できません。SNSでは通常リンクにnofollow属性が付与されています。(nofollow属性がリンクに付与されていると、Googleは被リンクとしての効果を除外するヒントとして扱います。[1][2]

以下のようにユーザーが自身でコンテンツを作成できるサービスを利用するとよいでしょう。

【SNS】
・Facebook
・Instagram
・Pinterest
・Youtube

他にもユーザー投稿型のサービスもあり、例えばnoteというサービスではプロフィール欄にリンクを設置することもできます。ただし、こちらもリンクはnofollow属性です。

例)https://note.com/nobol

記事本文に貼ったリンクもnofollowなので、被リンクを目的として投稿する意味はなさそうですが、noteとうサービス自体でコンテンツの流入があったり、noteの投稿はSNSでも拡散されやすい傾向にあるように思います。

求人サイトからリンクを貼る

Wantedly

Wantedlyでは、プロフィールに貼られたリンクに、nofollowは付与されていないようなので、被リンク効果は期待できそうです。

求人大手のindeedは求人ページ内の企業リンクにはnofollowが付与されています。その他crowdworksも会社概要欄にリンクを貼ることができますが、nofollowが設定されています。

求人サイトは、あくまでも求人することを前提に制作するのものなので、被リンク目的だけであれば、規約違反になりそうなので、おすすめはできません。求人している会社はプラスアルファとして考慮するとよいでしょう。

コンテンツを広める

プレスリリース配信サービスを利用

自社で製品やサービスを販売している場合には、新商品のプレスリリースはコンテンツ拡散効果が期待できます。本来は認知を高めるという目的だと思いますが、どうやったら外部メディアで紹介されて、被リンクを獲得しやすいか?という目線も含めてプレスリリースを打つとよいでしょう。

自社のサービスが特別にプレスリリースを出す様な形ではない場合には、上記で紹介したようなアンケート調査結果や、テンプレート作成や、インフォグラフィック、カオスマップといった情報を作成し、プレスリリースを打つという方法もあります。

スポンサーになる、団体に所属する

各種団体でスポンサー企業になったり、会員として登録することで、企業名が掲載されるケースもあります。

  • 寄付金
  • 学会
  • 団体の支援
  • 自治体・公共団体

被リンクを受ける対象が企業WEBサイトの場合には、被リンクが期待できるでしょう。

ここで獲得できた被リンクが絶対的に効果があるという訳ではないと思うので、あくまでも被リンク獲得戦略の一部です。

被リンクを獲得するためのワンポイントアドバイス

最初にリスト化して、タスク化する

被リンク獲得は、いずれも細かな対策を多岐にわたって行うため、なんとなく進めると結構苦労すると思います。

おすすめの方法は、被リンク獲得のための一覧リストを作成して、タスク化することです。

タスク化することで、優先度や進捗が明確になりますので、取り組みやすくなります。

無形のアイデアや情報はコピーされやすい

有形の商材とは異なり、無形商材は、被リンク獲得が得にくい分野です。例えば、弊社でいば、WEB制作のノウハウのような独自性の高いアイデアであっても、価値を感じられにくいです。知識が一般化して、差別化しにくいという側面もあります。

これはWEBマーケティングを行っている経験からも言えますが、ノウハウをコンサルティングするようなものは、かかるお金に対して価値を感じてもらいにくいです。つまり、ノウハウ系のコンテンツは被リンクは得にくく、被リンクなしで、内容がコピーされるようなこともあります。

被リンクチェック、調査ツール

Search Consoleで調べる

被リンクを調べる基本的な方法はSearch Consoleを使用した方法です。Search Consoleからリンクを選択すると、被リンクを獲得しているページと、どのドメインやページから被リンクを獲得しているかを把握できます。

外部の調査ツールで調べる

ahrefs

Ahrefsは、SEOの専門家やマーケティングのプロフェッショナル向けの高度なSEOツールです。このツールでは、任意のウェブサイトの被リンクを詳細に調査することができます。

さらに、ドメインの全体的な健全性やリンクの成長トレンドなど、さまざまなSEO指標を確認することができます。また、キーワードエクスプローラ機能を利用すると、特定のキーワードの検索ボリューム、クリック数、難易度などのデータを取得することができます。

費用は一番安いライトプランでも12,500円からとなっています。

ahrefs

Ubersuggest(ウーバーサジェスト

SEOツールであるUbersuggestはは、キーワードリサーチ、競合分析、サイトのSEO監査など、さまざまなSEO関連の機能を提供しています。

Ubersuggestでは、特定のキーワードに関連する検索ボリューム、競合度、関連キーワードの提案などの情報を取得することができます。また、任意のウェブサイトの被リンクや主要なSEO指標を調査することも可能です。

買い切り版とサブスク版がありますが、長期間使う想定であれば、買い切り版の方がお得です。

https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/

読者への提言

もっとどんどん、自身のメディア(ブログ)にリンクをつけませんか?

良い情報で役に立ったのならば、わからないように加工して同じような情報を発信するのではなく、引用という形で被リンクをつけていく。そういう慣習が業界にできれば、ここは他の人の意見、ここは私の意見という形で、もっとよいコンテンツができるのではないかと思います。とういことで、是非是非この記事にもリンクをつけてみてください。

いわゆるnofollow属性ですが、ほとんどのケースでは付与する必要はなく、ユーザー生成コンテンツなどで、リンク先を自社でコントロールが難しいような、特別なケースでのみ付与する方法がよいのではないでしょうか?

リンクやnofollowに関する情報はGoogle公式の情報を一読しておくことをおすすめします。

関連リンク

[1]…Google に外部リンクの関係性を伝える(Google検索セントラル)
[2]…進化する nofollow – リンクの性質を識別する新しい方法(Google検索セントラル)- 2019年9月10日