先日とある人物へのインタビューで、「地方にこそ、IT化の真髄がある」という発言を耳にしました。個人的にもすごく気になって、ひっかかる言葉だったので、今回はそれについて考えてみたいと思います。

今回「地方」という言葉を語るにあたって、あえてひと括りに「地方」という言葉を使っていますが、地方の全てがIT化できていないと言っているのではありません。

この記事を通して、地方のIT化の現状やその重要性、そして地方が直面する課題やその解決策についての理解を深めていただければ幸いです。

地方のIT化の現状

都心に大企業の本社が集中しており、大企業は必然的にIT化が進みやすいので、相対的に地方がIT化が進んでいないようにも見えます。

都心と地方の違い

都心では、大企業の本社が集中しており、これらの企業は資本力や人材の豊富さから、IT化の取り組みが進みやすい環境にあります。新しい技術の導入やデジタルトランスフォーメーションの取り組みは、都心の企業にとっては日常的なものとなっています。

一方、地方ではこのような大企業の存在が少なく、中小企業や地域密着型のビジネスが主流となっています。これらの企業は、資本や人材の制約から、IT化の取り組みが難しい場合が多いのです。

大企業と中小企業の違い

大企業は、その規模と資本を活かして、国内外の最新技術を取り入れることができます。また、専門的なIT部門を持ち、継続的なIT化の取り組みを行うことができるのです。

しかし、中小企業や地方の企業にとって、IT化は一筋縄ではいかない課題が山積しています。資金の制約、ITに関する知識やノウハウの不足、そして何よりも「IT化する必要があるのか?」という疑問を持つ経営者も少なくありません。

実際に、筆者の体験としても、地方に行くと、そもそもパソコンの操作が得意な人がいなかったり、いてもITのノウハウを業務レベルにまで落とし込むのが難しいかったりするシーンを見かけます。

なぜ地方のIT化はなぜ遅れているのか?

日本全体のIT化が進む中、地方のIT化の遅れが指摘されることが少なくありません。なぜ地方はIT化において遅れる傾向があるのでしょうか?背景には、産業構造の違いや人材の流出、そして地域性に根ざした価値観など、多岐にわたる要因が存在します。ここではその要因について見ていきたいと思います。

1.都心と地方での産業構造の違い

日本の経済構造を大きく分けると、都心と地方での産業の特性には顕著な違いが見受けられます。この違いは、IT化にも影響を与えていると考えられます。

引用:国土交通省「都市・地域レポート2008」

都心、特に大都市圏では、3次産業が主体となっています。金融、情報通信、サービス業など、知識や情報をベースとした産業が集積しており、これらの産業はIT技術の導入によって、業務の効率化や新しいビジネスモデルの創出が期待されます。そのため、都心の企業はIT化の波に乗りやすい環境にあります。

一方、地方では1次産業や2次産業が多めです。農業、漁業、製造業など、物質的な生産を主とする産業が盛んです。そのため、ITといった新しい技術の導入が必要とされる場面が少なかったのです。しかし、これらの産業でも、近年はIT技術の導入による生産性の向上や品質管理の強化が進められています。

2.IT人材が少ない

地方のIT化の遅れの一因として、IT人材の不足が挙げられます。この問題は、地方だけでなく、国全体においても深刻な課題として取り上げられていますが、地方における影響は特に大きいと言えます。

特に、高度な技術力を持つIT人材も都心部に集中しており、結果として、地方の企業や自治体がIT化を進めようとしても、必要な人材を確保することが難しくなっています。

地方の学生や若手の技術者は、より多くのキャリアチャンスや高い給与を求めて都心部へと流出する現象もあります。

3.産業の規模が小さい

地方には中小企業や家族経営の事業所が主体となっています[1]。これらの企業や事業所は、資本や資源が限られているため、大規模なIT投資を行うことが難しい場合が多いです。また、事業の規模が小さいため、IT化による直接的な収益の増加や効率化の恩恵を感じにくいという側面もあります。

都心や大都市圏には、大手企業や国際的な事業を展開する企業が多く存在します。これらの企業は、その規模と資本を活かして、大規模なIT投資を行うことができます。新しいシステムの導入やデジタルトランスフォーメーションの取り組みは、これらの大企業にとっては比較的容易に進められるのではないでしょうか。

[1]…地域の雇用と産業を支える 中小企業の実像 – 日本政策金融公庫

4.IT化の情報が共有されない

IT化された企業が周囲に多くなると、他社事例や知り合いの情報などから、よりIT化に感する情報が回ってきやすくなります。

情報のアクセス性の問題
都心や大都市圏には、IT関連のセミナーや展示会、ワークショップなどの情報交換の場が数多く存在します。これに対して、地方ではこのような情報の取得や交換の機会が限られている場合が多いです。この結果、最新のITトレンドや技術、成功事例などの情報が地方に届きにくくなっています。

地域内の情報共有の不足
地方の企業や自治体がIT化の取り組みを行っていても、その情報が地域内で共有される機会が少ないことがあります。成功事例や失敗談、導入のポイントなどの貴重な情報が、他の企業や団体に伝わらないため、同じような取り組みが繰り返されることが考えられます。

5.人付き合いを重視している

地方においては、ビジネスの取引先や顧客との関係は、単なる商取引以上の深い信頼関係に基づいています。このような人間関係を大切にする文化の中では、新しい技術やシステムの導入が、人と人との直接的なコミュニケーションを減少させると感じられることがあります。

IT化とは、つまるところ効率化であり、それは今まで必要としていた人手が減る(誰かの仕事が減る)ということになります。

例えば、単純な事務作業をお願いしていた人が、IT化によって、その人が不要になるということが起こりえます。

ただ地方は人のつながりをより重視する傾向が強いので、IT化によってその人の仕事がなくなるなら導入しにくいという事情もあるように思います。

6.伝統を尊重している

地方には、長い歴史や伝統があり、それを守り続けることが地域のアイデンティティとして重視している企業もあるでしょう。

新しい技術や方法の導入は、これらの伝統や文化を脅かすものとして受け取られることがあるのではないでしょうか。

特に、伝統工芸や地域の特産品など、手作業や独自の技術が求められる産業においては、IT化に対する抵抗感が強くなることが考えられます。

伝統の価値観を大事にしつつ、新しいものも部分的に取り入れていくことで、事業が次のステップに進める場合もあります。

地方(中小企業)IT化は効果がすごい

地方では、多くの業務やサービスがまだIT化されていない方法で行われていることが多いです。IT化することで、これまで手動で行っていた業務が劇的に効率化される可能性があります。

例えば、地方の農業で、IoT技術を利用したスマート農業の導入は、収穫量の増加や作業の効率化が期待されます。

また、ネットショップなどの導入やオンラインミーティングの導入では、これまで地方だけに限られていた商圏が全国に広がり、売上が大幅に変わっていく可能性もあります。

つまりIT化によるビジネスチャンスが広がる可能性は地方こそ高いことが見込まれます。

最初にはじめるべきおすすめのIT化

IT化は、一気にやるのは大変なので、特に中小企業は少しずつ始めるのがコツ。これまでIT化できていない会社だと1つ取り組むだけでも大きな効果がでます。IT化は一気に始めるのではなく、部分的に始めていくのがおすすめです。

また、地方部では会社間の距離も物理的に距離があることがほとんどなので、たとえば、ミーティングがオンライン化するだけでも、都心に比べても比較的効果が大きくでるように思います。

項目代表的な製品導入の難易度コスト
オンラインミーティング・Zoom
クラウド会計ソフト・freee会計
・マネーフォワード
・弥生会計
低〜中
キャッシュレス化・Airレジ
クラウド人事労務ソフト・freee労務会計
・スマートHR
低〜中
オンライン予約システム・Square予約
電子契約書・クラウドサイン
・GMOサイン
・Adobe Sign
ホームページ・Wix
・Wordpress
・Studio など

ここで紹介したものはおもに経理・労務・法務などのバックオフィス系のIT化です。特に、オンラインミーティングや電子契約書は比較的導入しやすいと思います。

IT化の本質は業務効率化にあります。これらのツールを一つずつ導入することで、気づくと大きなIT化を達成することにつなります。経営指標からみれば、販売管理費の減少に大きく寄与する可能性があります。

ぜひ取り組みやすいものから取り組んでいくことをおすすめします。

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