2019年頃から、DXという言葉を本当によく聞くようになりました。
改めてDXというのが何なのか?という疑問を改めて整理しようと思い、この記事をまとめています。
Googleで”DX”という言葉を調べると、難しい言葉がズラリ・・・
経済産業省のDX推進ガイドラインなるものが多く参照されていますが、内容を見てもサッパリでした。そして解説する記事を複数読んでもいまいち核心っぽいものは見当たりませんでした。
そこで気づいたことが一つ。”DX”には、万人に共通する概念がないということです。つまりどれだけ調べても、DXには明確な定義はないので、いまいちコレをやればDXということはないんですね。DXという言葉が出てきたら、文脈からその意味を都度解釈していくのが良さそうです。
DXという言葉の定義は?
日本でDXの定義はというと、一応は経済産業省が発表したDX推進ガイドラインの定義が参照されていることが多いです。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
経済産業省 「DX推進ガイドライン」
これだけだとよくわからないので、もう少し噛み砕いて見てみます。
DXという言葉が重要な訳じゃない!
DXというのをより、簡単に言えば
“データとデジタル技術を用いて新しいビジネスモデルを構築すること”
という言い方が出来るかなと思います。DXではよく、トランスフォーメーションとして、”変革”という意味が重視されますが、そこにはある種の意気込みのような意味が含まれているように思います。
そして、重要な実はDXという言葉の定義を追いかけてもあまり意味がないということです。DXの成功事例として、海外ではNetflixやAmazonなどが挙げらこともあります。しかし、それらは始めからDX自体を目的としたのではありません。既存の課題を明確にし、その課題を技術を用いて解決したという行為を後から、それがDXとして言われるようになっているのです。
つまりDXをやろうと、何かツールを探して、うまく活用出来ないか?と考えるよりも、既存の課題や、ビジネス上での痛みを明確にした上で、それをどうやて解決するか?という点に注目することがはるかに重要です。
そもそもDXの目的は、売上を伸ばすことか、業務効率化によるコスト削減になりますので、そこにおける課題をしっかりと認識することが、効果のあるDXに繋がります。
決して、それはDXじゃない!などといった言葉遊びに時間を使わないようにしましょう。
DXの段階
DXレポート2を見ると、DXの段階が紹介されており、比較的わかりやすく書かれていると思います。

よく、紙書類をデジタルデータに置き換えるといった、いわゆるデジタイゼーションやデジタル化も、広義の意味ではDXに入れられそうです。
DXの段階を表すと、以下のようなステップで表せそうです。
- アナログからデジタルへの移行
- IT技術を用いた業務効率化
- IT技術を用いた新しいビジネスモデルの創出
これは必ずしも上から順番にやらなければならないということではなく、従来のビジネス上の課題がどこにあるかで、取り組むべきステップは変わってきます。
DXの事例
Netflix(ネットフリック)
ネットフリックは元々はDVDをウェブでレンタルして、配送するというビジネスからスタートしました。その後、1998年に月額20ドルで月6本まで借りられるというサブスクリプションモデルをスタートします。この時にネットフリックスは、ユーザーの抱える2つの痛みを取り除いています。一つが、延滞料を払うという痛み。もう一つが次の作品を選ぶ手間という痛みです。2つ目の痛みは、見るべきリストに追加すれば、返すと自動配送されるというという仕組みと、リコメンドエンジンで、次に見るべき作品をユーザーが選びやすくすることで解決しました。
その後、ブロードバンド化の波にのり、VOD(ビデオオンデマンド)に舵を切ります。VOD化させることで、ユーザーは配送や作品選択の手間を排除し、テレビで見たい時にすぐに作品を見れるようになりました。
この様にネットフリックスは、デジタル技術やデータを活用しながら、新しいいビジネスモデルを構築していきました。ネットフリックスの事例で注目すべきなのは、技術の活用を目的にしたのではなく、ユーザーの痛みを取り除くために”手段”としてデジタル技術を用いている点です。
DX時代におけるホームページの役割は?
ホームページというと、旧来の古い戦略の様にも感じる方もいるかもしれませんが、時代と共にホームページの役割も変化しています。従来からある名刺としてのホームページだけではなく、あくまでもビジネスモデルの一部として、ホームページを活用すれば、売上を伸ばし、業務効率化によってコストを削減することも可能です。
新しい時代のDX戦略として、ホームページの活用を考えてはいかがでしょうか。
[1]・・・産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進(経済産業省)
[1]・・・経営図鑑(アルク)- 金澤一央
[2]・・・DX革命(プレジデント) – 大前研一編著