2019年に発売された「アフターデジタル」という書籍をご存知でしょうか?
これからデジタルの世界の次の世界は、いったいどうなるのか?ということについて、書かれています。
今回は簡単ではありますが、アフターデジタルの内容を紹介してみたいと思います。
ビフォアデジタルとアフターデジタル
従来のデジタル社会では、リアルのビジネスがあり、それにインターネットが登場したことで、オンラインビジネスが付随してきました。
アフターデジタルとは、簡単に言えば、オンラインの中の一部としてリアルが存在しているというOMO(Online Merges with Offline)という考え方です。
一つ注目すべき考え方は、OMOのビジネスでは、リアルビジネスにデジタルを取り入れるのではなく、あくまでデジタルでビジネスを構築し、リアルビジネスを再構築するという順序の違いになります。
OMOでは顧客視点が重要になる
OMOの世界で、最も重要なものが、ユーザー起点でものを考えるということです。事業者がどういうものを作りたいのか?ではなく、徹底的に顧客の立場にたって物事を考えるという目線が重要ということになります。
その考えをデータを使って実践しようというのが、ある意味OMOの捉え方といえるでしょう。
またOMOでは「チャネルの自由な行き来」が重視されます。これは、顧客がある製品を購入するに至るまで、どのようなアプローチをとっても、同様な体験で購入できる状態を目指します。
これは筆者の体験ですが、例えば、ニトリでは、商品を店舗でそのまま買うこともできれば、バーコードをスキャンして、ネットショップからも購入し、自宅に配送されるサービスもあります。つまり、店舗での購入とネットショップでの購入が同じ体験として共有されている事例といえるのではないでしょか。
OMOの5段階のステップ
これは中国の最大手のECプラットフォームであるアリババの事例です。
アリババでの取り組みとして紹介されていたのが、どのようにOMOを進めて来たか(行くか)という話です。
UXの捉え方という点において、初期の段階ではUX=デザインという捉え方からはじまります。
第1段階(Penetration:デザイン思考で考える変化)では、デザイン、テクノロジー、ビジネス全体をデザインシンキングとして捉えました。
第2段階(Diffusion:拡散)では、モール型ECビジネスとして、toCだけではなく、toBのエクスペリエンスを向上させます。
第3段階(Evolution:進化)では、オンラインサービスの方法論を既存型ビジネスに応用して、再構築します。
第4段階(Date Driven:データ取り分)では、デジタルとリアルで収集したデータから、新しい技術を開発し、データエコシステムを作ります。これはデータドリブンと呼ばれます。
第5段階(Holistic Experience:全体的な(総和的な)体験)では、2つの観点が重視されます。一つがデザイン、ビジネス、テクノロジーがすべて融合されており、バランスが取れているエクスペリエンスを指します。具体的には、以下のような要素のバランスが重視されます。
- トレンド
- オペレーション
- パフォーマンス
- データ
- 機能
- 競合優位性
- 世論
2つ目が、NPS(ネット・プロモーターズ・スコア)と呼ばれるもので、これは、顧客にプラスの感情を抱かせるもの、つまりロイヤリティの指標とも言えるもので、これが全体的に欠けることなく高い数値であるという状態を目指すものもです。
このエコシステムが形成されることで、全てのステークホルダーがwinwinになるという状態を目指すというものです。
我々のビジネスではどう捉えるのか?
これは中国のアリババという、ある意味世界で最も進んだ事例を見てみましたが、実際に私達が接するビジネスでは、ようやく第1段階を目指そうというところではないでしょうか?そして、それすらも十分に難しい課題であると思います。
これまで全くWEBでの集客をやってこなかった会社が、いきなりデジタルで再構築するというのは、かなりハードルが高いです。
まずは、ここで紹介したビフォアデジタルである、リアルビジネスにデジタルを取り入れるというところが最初のスタートにならざるを得ない会社も多いと思います。
弊社がお客様にWEB集客を提案する場合には、まずは全体的な顧客導線がどのようになっているのか?というビジネスの全体像から整理するところから始めます。
そうすることで、ホームページがどのような役割を果たすことが最適なのかが分かり、最適な提案につながるのではないかと考えています。
まずは、リアルとデジタルのビジネスの全体を俯瞰してデザインしてみる。それこそが、アフターデジタルの最初の一歩ではないでしょうか。
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