利益が多く出た企業は、様々な節税対策を行うことで、税金を適正におさえることが可能です。そういった節税方法の一つとしてホームページを制作するという方法があります。

ホームページ制作費用は、損金として計上して節税対策になるのに加え、長期的に収益を生み出す投資にも繋がりますので、おすすめしたい節税&投資の方法です。この記事では、ホームページの税務上の処理や節税効果、注意点について解説しています。

ホームページ制作の税務上の処理

広告宣伝費

コーポレートサイトを始めとした、多くのホームページは一般的に広告宣伝費として扱われます。

広告宣伝費と扱うためには、使用期間が1年以内に更新されるかどうかが判断基準になります。例えば、ニュースコンテンツなどが1年以内に更新されていれば、これに該当しますので、ほとんどのホームページは広告宣伝費として計上することになります。

また、1年以内に更新されない場合は、長期前払費用や無形固定資産として扱うことになります。

長期前払費用

1年以上更新されないホームページで、後述する「ソフトウェア」を含まないものに関しては、繰延資産として資産計上した上で、使用期間に応じて、均等償却します。ニュースやブログ更新の機能がない場合などで該当する場合はありますので、注意が必要です。

無形固定資産

ホームページの中でも、特定の機能を有する場合には無形固定資産のソフトウェアして扱う必要が出てきます。

ソフトウェアというのは、具体的には、以下のような機能が該当します。

  • 顧客がログインできる機能
  • オンラインショッピング機能
  • 商品を検索する機能
  • その他複雑なプログラムを有する機能

これらの機能がある場合には、金額によっては無形固定資産として資産計上し、5年間で減価償却が必要になります[1]

ソフトウェアとして仕分けする場合には、金額によって処理方法も変わってきます。

使用可能期間1年以内
又は10万円未満[2]
全額費用
20万円未満一括償却資産、3年均等償却
30万円未満中小企業は全額費用
30万円以上無形固定資産

ただし高機能なホームページで、1年以内に更新しないようなケースはほとんどないでしょうから、実質的には「広告宣伝費」として計上するケースが多くなりそうです。

節税対策でせっかく高機能なホームページを作成したのに、無形固定資産で一括資産計上できない!というケースにならないように、事前にどのような勘定科目になるか確認しておきましょう。

ホームページで節税は可能?その効果は?

ホームページの制作費は、広告宣伝費として扱われることが一般的ですので、損金算入が可能となり、節税につなげることができます。

仮に税引前利益が500万円あった場合で、実効税率を約33%とすると、165万円ほどの法人税を支払うことになります。

ここで仮に計算を分かりやすくするために100万円のホームページ制作費用として支払ったとすると、支払う税金は132万円に減ります。

(500万円 – 100万円) ✕ 33% = 132万円

差額(165万円ー132万円)を考えれば33万円もの節税効果が生まれます。見方をかえれば、100万円のホームページが67万円で手に入ることになります。さらにホームページから得られうるWEB集客効果を考えれば、先行投資としても魅力的です。

計上タイミングに注意

ホームページ制作費用は節税につなげることができますが、費用計上のタイミングには注意が必要です。厳密に言えば、制作費はホームページが完成した時点で損金として計上されます。つまり決算前にあわてて着手金として全額を支払ったとしても、勘定科目としては「前払金」という扱いになり、ホームページが公開されたタイミングで初めて「広告宣伝費」などの勘定科目で損金として計上することになります。

ホームページ制作で節税を考える場合は、制作期間を見越して、遅くとも決算の2ヶ月前には着手できるように、早めに対応するように心がけましょう。

ホームページ制作で節税するなら

Nobil(ノビル)では、「お客様の売上が”伸びる”」をコンセプトにした、ホームページ制作サービスです。お客様の目的や用途に応じて、最適な制作プランをご提案させて頂きます。またお客様のご都合に合わせた様々な支払い方法もご提案可能ですので、是非ご活用ください。

関連記事

[1]・・・No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数(国税庁HP)
[2]・・・No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示(国税庁HP)