これまでカード決済といえば、ある程度事業規模の大きい会社だけが採用できる決済手段でしたが、最近では中小企業でも手軽にキャッシュレス決済を導入できるサービスが多く登場しています。
最近では、非対面を中心とする事業者でもオンラインでのカード決済を検討する事業者も増えてきているのではないでしょうか?
今回は非対面で無形商材を販売する場合に、どのような決済手段がよいのか?を、中でも有名なSquareとPayPalを中心にどちらのサービスが良いかを比較してみたいと思います。
決済事業者を比較する前に
決済事業者によって、手数料や決済手段がことなりますので、事前に目的を明確にしておきましょう。
・オンラインでリンクを送って決済できるようにしたい
・お客様でカードを柔軟に変更できるようにしたい
・入金サイクルが早いものがいい
・決済手数料は少しでも安い方がいい
・クレジットカード決済以外の支払い手段にも対応したい
といったような、目的の支払い方法を事前にイメージしておけば、決済事業者は選択しやすくなります。
Square(スクエア)とは
Squareはアメリカ、カリフォルニア州のシリコンバレー発のモバイル決済事業者です。どちらかといえば、オフライン決済で小さい端末をスマホに取り付けるだけでカード決済ができるという点で有名になりました。
PayPal(ペイパル)とは
1998年にアメリカ、カリフォルニア州のシリコンバレーで、ピーター・ティールとイーロン・マスクによって創設された決済サービス事業者です。イーロン・マスクは、話題の電気自動車テスラ・モータースを創業したことでも知られています。
PayPalはキャッシュレス決済の先駆けとも言える企業です。
なぜ国内事業者ではないのか?
ただし、国内事業者とはことなり、日本向けに最適化されていない場合があります。例えば、これらの決済手段では、銀行の口座振替には対応していません。
また、日本独自のバーコード決済など、様々なキャッシュレス決済に対応しているのは国内事業者になりますので、これらの決済手段への対応も考えているのであれば、国内の決済代行事業者を選択肢にいれるとよいでしょう。
手数料を比較
PayPalとSquareで手数料を比較します。
PayPal | Square | |
決済手数料 | 国内:3.6%+40円 海外:4.1%+40円 | 3.6 or 3.75% ※1 |
対応ブランド | Visa Mastercard JCB American Express ディスカバー 銀聯(UnionPay) | Visa Mastercard JCB American Express ディスカバー Diners Club |
初期費用 | 0 | 0 |
月額費用 | 0 | 0 |
引き出し | 5万円以下、250円 5万円以上無料 | 無料 |
銀行への入金サイクル | 最短3営業日 | 最短翌日 |
決済手数料としてはほとんど同じ水準になります。Squareはどのような機能をつかって決済するかによって、手数料が変わります。料率の差は一見小さく見えますが、決済金額が大きくなれば、差も大きくなりますので、いくらの支払いを見込んでいるかも一つの注目ポイントになります。
Squareの決済手数料
Squareオンラインビジネス、オンラインチェックアウト、eコマースAPIでの決済は3.6%。カード情報を入力したり、保存済みカード情報を利用した決済は、3.75%の手数料となります。
Squareオンラインビジネスとは、Square上で簡単に作成できるネットショップ機能のことで、ここで作成したサイトでカード決済が可能になります。
ネットショップなどは不要で、リンクだけをメッセージ送信して、支払いができるようにする機能のことです。単発の商品を販売する場合の他にも、サブスクリプション(月額払い)の設定も可能になります。
PayPalの決済手数料
PayPalの決済手数料は3.6%+40円となっていますが、30万円以上の決済がある場合には、手数料が割引され、1000万円以上の決済がある場合には、2.9%+40円まで手数料が下がります。
多額の決済がある場合にはPayPalが有利となりますが、多額の決済金額が見込まれる場合には、決済手数料のみならず、サポートや周辺機能までトータルで判断する必要がありますので、国内の決済事業者も含めた検討をしてみるとよいでしょう。
機能を比較
リンク型決済機能(オンラインチェックアウト)
オンラインチェックアウトとは、専用リンクをメールやSNSなどで送付することで、顧客が簡単にカード決済ができるという「リンク型決済」機能です。こちらはSquareのみが対応しています。
専用のネットショップなどを開設しなくても、カード決済を導入できるため、自社のビジネスで簡単にカード決済を導入することができます。
顧客がリンクをクリックするとSquareの決済専用ページに遷移します。Squareの決済ページはデザインが非常に洗練されていますので、店舗などのブランドイメージを保つことができます。
カード決済画面では、通常の決済情報以外にも、会社のロゴや独自に収集したい項目などをカスタマイズできるあたりも便利です。
一つのリンクで複数人への支払いも可能
リンク型決済のリンクは、一つのリンクで、複数人の決済が可能になります。
例えば、LINEグループやFacebookなどに決済リンクを掲載しておけば、よりスムーズに顧客に決済機能を提供できます。
またホームページで決済リンクをボタンとして表示すれば、簡単に決済ボタンを設置することができます。
具体的な使用イメージ
LINEで決済できるようにする
このオンラインチェックアウト機能を使えば、LINEで相手にリンクを送るだけでカード決済ができるようになります。
顧客は指定されたリンクをクリックするとクレジットカード決済が可能になります。店舗側は顧客のクレジットカード番号を知ることはできませんので、顧客も安全にカード決済ができるようになります。
メールで決済できるようにする
同様の方法で、メールに決済リンクを送付することで、メールでクレジットカード支払いすることができます。
SMS(ショートメール)で決済できるようにする
同様にSMSでもリンクを相手に送ることで、クレジットカード決済ができるようになります。SMSは比較的古い携帯端末でも対応していますので、LINEを使っていない方にもカード決済を促すことができます。
SMSでリンク決済できるメリットは、電話番号さえ分かっていればよいので、ビジネス上電話番号以外を知る手段が乏しい場合などに有効です。
ボタン型決済機能
自社でウェブサイトをお持ちの場合に、決済ボタンを追加する方法です。
これはSquare、PayPalともに対応しています。簡単にセキュアなカード決済を導入することが可能になります。
口座開設の速さ
どちらもビジネスアカウントを設置するにあたっては、申込み後に審査通過後に、利用可能になります。弊社ではいずれのアカウントも開設済みですが、PayPalは申込みから1週間以上、Squareは翌日には審査通過で使えるようになっていました。
SquareオンラインビジネスにPayPal決済を連携する
Squareではオンライショップを開設することができます。Squareのオンラインショップでは、無料で使うこともできますが、有料プランにすることで、決済方法としてPayPayを導入することができます。
このとき、Square側では追加の決済手数料は発生せず、PayPalのみで決済手数料が発生する仕組みとなっています。
昨今の支払いではクレジットカードで直接支払う方法が多く採用されていますので、あえてPayPalを導入する理由は少ないかもしれませんが、このような連携があるということも知っておくとよいでしょう。
結論:Squareは優秀
決済機能を導入にするにあたっては、目的を明確にした上で、自社の決済がどのような機能を求めているかや、決済金額がいくらくらいか?という点で、選択肢は変わってきます。
手数料だけで比較すれば、決済の月間取り扱い高が多額になる場合はPayPalが有利になりますが、取り扱い高が低い場合は、Squareの方が有利になります。
またリンク型決済(オンラインチェックアウト機能)を重視する場合には、Squareが第一候補になるでしょう。
自社のビジネスに合わせて最適な決済手段を選択してみてください。
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